献血で集めた血液からB型肝炎、C型肝炎に感染してしまった人がいます。いったいなぜそんなことになってしまったのでしょうか?

2013年11月、献血で集めた血液を輸血された60代の男性がHIVに感染していることが分かりました。このニュースはテレビ、新聞、ネットで大々的に報道されたのであなたも記憶に新しいと思います。

献血からのHIV感染リスクが大きく取り上げられましたが、実はB型肝炎、C型肝炎についても全く同じリスクが存在しています。いえ、ウイルスの感染力という点ではHIV以上であるため感染者も多いのです。

◇あなたは知っていましたか?実はこんなに感染者がいます!

まず、実際に献血からどのくらいの人数B型・C型肝炎に感染した人がいるのか、過去10年の感染件数をご覧頂きましょう。

【過去10年の献血からの感染者報告件数】

このグラフは2014年1月6日付毎日新聞に載った数値を私がグラフ化したものです。当サイトの姉妹サイトから引用しました。

実は当サイトでは本記事以前に、『B型・C型肝炎は献血で分かる?』という記事を書きました。

この記事の中で。

『平成23年(2011年)には献血の検査ですり抜けたB型肝炎ウイルスによって23人が感染した。』

と書きました。

しかし、上のグラフでは平成23年(2011年)のB型肝炎ウイルス感染者は13人です。10人の差があります。前回、23人と書いたのはウェブ上のニュースで確認した数字です。

いったいどちらが正しいのか、両方の数字のニュースソースを比べてみたのですがハッキリしません。私個人の感覚としては毎日新聞の数字が正しいように思います。上のグラフが正しい数字だと思います。

結局、2003年から2012年にかけての10年間で、

●B型肝炎ウイルスに感染した人 105人

●C型肝炎ウイルスに感染した人 5人

●HIVに感染した人         1人

となっています。(HIVはすでに書いた通り、2013年に1人発生)

まぁ、この数字を多いとみるか、少ないとみるか。これは見方によって大きく変わってきそうです。

◇検査精度には限界がある!

献血で集めた血液は当然ウイルスに汚染されていないか検査しています。しかし、その検査には限界があるのです。それゆえHIV、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルスが検査をすり抜け、輸血に使われた血液によって感染するのです。

いずれのウイルスも感染してからある期間は検査しても感染していることが分かりません。この期間をウインドーピリオドと呼びます。

要するにそれぞれのウイルス検査で見つけようとする対象が体内にまだ多く生成されていないため検査しても見つけきれないのです。

日赤の血液センターでは、少しでも感染初期のウイルスを見つけようと1999年(平成11年)からNAT検査を導入しました。NAT検査はHIV、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、の核酸を人工的に増幅して検査するものです。

微量の核酸が血液に含まれていれば、それを何万倍にも増幅できるため非常に検査精度が高いとされています。

当初は50人分の血液をまとめて検査していましたが、2003年に輸血によるHIV感染者が発生したことから20人分に変更になりました。

更に2013年に再びHIV感染者が発生したことから、完全個別検査(1人ずつ)に変更予定だそうです。(毎日新聞の記事による)

しかし、それでも100%完璧に感染初期のウイルスを検査で見つけることは不可能だそうです。

ちなみに、20人ずつNAT検査を行っている現状で、いったいウインドーピリオドはどのくらいの期間なのか、毎日新聞の記事からご紹介しましょう。輸血による感染確率も合わせてどうぞ。

●B型肝炎ウイルス
・ウインドーピリオド 44日
・輸血による感染確率 0.001%以下

●C型肝炎ウイルス
・ウインドーピリオド 24.5日
・輸血による感染確率 0.0001%以下

●HIV
・ウインドーピリオド 43.5日
・輸血による感染確率 0.0001%以下

このように毎日新聞には記載されています。

しかし、このウインドーピリオドはハテナマークですね。こんなに長いのでしょうか。B型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルスはともかく、HIVのNAT検査では通常11日とされています。それが43.5日とされているのは首をかしげます。

こんなにウインドーピリオドが長いならNAT検査の値打ちがありません。HIV抗原検査でもウインドーピリオドは30日です。

一方、日赤九州ブロックのホームページにはNAT検査のウインドーピリオドが次のように書かれています。

●B型肝炎ウイルス
ウインドーピリオド 34日

●C型肝炎ウイルス
ウインドーピリオド 23日

●HIV
ウインドーピリオド 11日

これは献血を行っている日赤のホームページに記載されている数字なので、毎日新聞の記事よりも正確だと思うのですが。

まぁ、日赤ホームページの数字が正しいにしても検査が正確に出来ないウインドーピリオドは存在する訳で、この期間中に献血を受ければ検査をすり抜けて輸血に使われる可能性があります。

その可能性の結果が感染者を示すグラフです。10年間に111人です。


◇献血はウイルス検査の代わりにはならない!

当サイトで何度も書いてきましたが、献血はウイルス検査の代わりにはなりません。あなたもご承知のようにHIVは例え感染していることが分かっても教えてくれません。

B型肝炎、C型肝炎はあなたが希望すれば感染していたときのみ通知をもらうことができます。しかし、血液センターからの通知では保健所や病院で検査を受けて感染が見つかったときのようなサポート、フォローはありません。

血液センターの検査は輸血者の安全を確保するためであり、献血者の健康を第一に考えている訳ではありません。(ちょっと言い過ぎかも知れませんが)

あなたが問診のときに希望を出さなければ、仮にB型肝炎、C型肝炎に感染していても通知はもらえません。感染の通知は血液センターの主業務ではないのです。あくまでも献血してくれる人へのサービスの一環です。

それでもHIVと違って感染していれば教えてくれるだけ親切と言うべきでしょうか。

でもあなたに勘違いして欲しくないのですが、HIVが怖くてB型肝炎、C型肝炎は怖くない病気だと思わないでください。ウイルス性肝炎は劇症化すると非常に致死率の高い危険な病気です。

むろん、きちんと検査を受けて早期に治療を開始すれば完治する可能性もあります。そこはHIVと決定的に違う点です。HIV感染症は残念ながら完治することは出来ません。

それでも早期にHIV感染が分かればエイズ発症を防ぐことは可能になりました。

結論としてはHIVもB型肝炎もC型肝炎も、献血を検査代わりに使うのではなく保健所や病院で検査を受けてください。それが輸血を受ける人の安全を確保することになるし、あなたご自身の安全にもつながります。

なお、B型肝炎、C型肝炎のようなウイルス性肝炎は一般的な健康診断の血液検査では分かりません。当サイトでご紹介したようなウイルス学的検査が必要です。

ウイルス性肝炎は自覚症状が出ないことも多いので、あなたも一度はウイルス性肝炎の検査を受けてみてはいかがでしょうか。私も病院で3回、自宅で検査キットを使って1回、合計4回の検査をしました。幸いどれも陰性でした。

 

アイコンボタンウイルス性肝炎は一般の健康診断では検査していません。
BC肝炎バナー

B型肝炎、C型肝炎は性行為によって感染します。
タイプLバナー ・B型、C型肝検査。(男女共通
・一般健康診断では分かりません。

矢印STDチェッカー タイプL

矢印私の体験記はこちらから
重複感染するとより危険です。不安ならまとめて検査。
タイプEバナー3 ・HIV・梅毒・B型肝炎
・クラミジア・淋菌
・まずは5種類検査で一安心

矢印タイプE 男性はこちらから

矢印タイプE 女性はこちらから