ここではB型肝炎の症状について説明したいと思います。

B型肝炎はB型肝炎ウイルスの感染によって発症するのですが、実はウイルスそのものが炎症を起こしているわけではありません。 仮にあなたがB型肝炎ウイルスに感染して、あなたの肝細胞にウイルスが入り込んでも、それですぐに何かの自覚症状が出てくることはありません。

あなたの肝細胞が破壊されて炎症を起こすのは、あなたの体の免疫機能がウイルスを認識し、排除しようとして攻撃を開始してからです。

免疫細胞はウイルスが感染した肝細胞を次々と破壊していきます。 つまり、あなたの免疫機能とウイルスとの戦いが炎症を起こす直接の原因なのです。

ですからあなたが3歳くらいまでにB型肝炎ウイルスに感染しても、あなたが思春期を迎えるくらいまでは何事も起きません。 それはあなたの体の免疫機能がまだ未熟で肝細胞に入ったウイルスを認識できないからです。

それがあなたの成長と共に免疫機能も成長し、やがてウイルスを認識できるようになると攻撃を始めます。それで肝炎を発症することになるのです。

では、B型肝炎とはどんな症状なのか、見ていきましょう。 B型肝炎の症状の現れ方はあなたがB型肝炎に感染する年齢によって異なります。成人になってから感染する場合と、母子感染や乳幼児のときに感染した場合に分けて説明したいと思います。

1.成人になってからB型肝炎ウイルスに感染した場合

あなたが成人になってからB型肝炎ウイルスに感染すると、図1のような経過をたどります。


図1.B型肝炎の経過その1

成人になってから感染した人の70%から80%は、何も自覚症状が現れないまま自然治癒してしまう不顕性感染です。 この不顕性感染はウイルスを体内にもったまま症状が出ないだけの持続感染(キャリア)とは異なり、ウイルスそのものが駆除された状態です。(最近の研究では微量のウイルスが残るとする報告もあるそうです。)

体にはB型肝炎ウイルスの抗体ができて、再度感染することはありません。

B型肝炎ウイルスに感染して急性肝炎を発症するのは感染者の20%から30%の人たちです。

●B型急性肝炎の潜伏期間
1ヶ月から6ヶ月。平均すると3ヶ月で発症する。

●主な症状
・全身の倦怠感
・発熱 ・頭痛
・吐き気
・食欲不振
・下痢
・黄疸(おうだん)
・尿が褐色になる

このように、最初は風邪に似た症状が出て、次に消化器系の症状がでてきます。B型肝炎にかかった人の体験記を読むと、最初は風邪かな、と思った人がとても多くいます。 なお、急性肝炎全体の30%がB型肝炎によるものです。(図2参照)


図2.急性肝炎の原因

B型急性肝炎は1ヶ月ほどで完治するケースがほとんどで、抗体が作られて再度感染することはありません。

しかし、1%から2%の頻度でまれに劇症肝炎に移行する患者がいます。

劇症肝炎とは、文字通り劇的に激しい肝炎を起こして肝臓の細胞がほとんど壊れてしまう病気で、非常に致死率の高い怖い病気です。私が読んだ専門書では、劇症肝炎を起こすと半数の患者は死亡すると書かれてありました。

また、日本では劇症肝炎の40%はB型肝炎によるものだそうです。(図3参照)


図3.劇症肝炎の原因

劇症肝炎の特徴は肝性脳症を発症することです。肝性脳症は肝不全によって起きる意識障害で、言動がおかしくなったり興奮して暴れたり、重症になると昏睡状態(肝性昏睡)となり反応がなくなります。

これは、『肝臓の働きとは?』でも説明したように、肝臓が解毒作用を持っており、その働きが肝炎によって機能しなくなるために発生する症状です。

例えばアンモニアなどの有害物質の処理ができずに血液中にたまってしまいます。するとこうした有害物質が脳にまで達し、脳の機能障害を起こすのです。 肝性脳症による肝性昏睡の度合は次の表1のように5段階に分類されています。

表1.肝性脳症による肝性昏睡の度合

昏睡度 症状
Ⅰ度 ・起きているときと寝ているときのリズムが逆転する。注意力が低下する。
Ⅱ度 ・時間、場所を間違えたり、物を取り違える。手を差し出して反らせると手指が震える。
Ⅲ度 ・興奮状態になり、反抗的態度をとる。傾眠状態となり、呼びかけると目を開く。
Ⅳ度 ・完全に意識を失うが、痛み、刺激には反応する。
Ⅴ度 ・深い昏睡状態となり、痛みや刺激にも全く反応しない。

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2.母子感染・乳幼児のときにB型肝炎ウイルスに感染した場合

次に、母子感染や乳幼児のときにB型肝炎ウイルスに感染した場合を説明します。この場合は図4のような経過をたどります。


図4.B型肝炎の経過その2

このケースで感染した人の85%は症状が出ないままキャリア(持続感染)となります。幼少期にはB型肝炎ウイルスを排除する免疫機能が働かないため、ウイルス量は多くても肝炎を発症することもありません。

やがて思春期くらいの年齢になると免疫機能が発達してB型肝炎ウイルスを認識できるようになります。すると体内の免疫細胞がいっせいにウイルスを排除しようとして攻撃を始めます。

ウイルスが感染した肝細胞ごと破壊してウイルスを駆除しようとするのです。このために肝炎を発症するのですが、90%の人は症状も軽く、自覚症状も出ない場合さえあります。この後ウイルスは体内から排除されてしまいます。

ところが、残りの約10%の人が慢性肝炎を発症します。この場合もほとんどの人は完治するのですが、数パーセントの人が肝硬変から肝がんへと移行してしまいます。

図4の中で出てくる「セロコンバージョン」とは、免疫機能によってB型肝炎ウイルスの活動が抑え込まれた状態であり、肝炎を発症しないまま「無症候性キャリア」となります。詳しくは『セロコンバージョンとは?』をご覧下さい。

このとき、B型肝炎ウイルスのHBe抗原が陰性、この抗原に対するHBe抗体が陽性となります。B型肝炎ウイルスについてはHBs抗原とHBe抗原の2種類の抗原が登場します。これらの抗原はB型肝炎ウイルスを構成するタンパク質の一種です。
詳しくは「肝炎のウイルス学的検査」を参照してください。

セロコンバージョンは肝炎の症状が治まった状態ですが、この状態からウイルスのDNAが突然変異した「変異株」が現れ、これが増殖すると慢性肝炎や劇症肝炎に移行することがあります。

以上がB型肝炎の症状です。要点は次の2点となります。

1.B型肝炎の20%から30%が急性肝炎を発症し、そのうち1%から2%が劇症肝炎に移行する。劇症肝炎になると致死率が高い。

2.B型肝炎は母子感染や幼児期に感染した場合は、思春期になるまで症状が出ない。これは免疫機能が発達するまではウイルスを認識することができないため、炎症も起きないからである。

なお、B型肝炎、C型肝炎のようなウイルス性肝炎は一般的な健康診断の血液検査では分かりません。当サイトでご紹介したようなウイルス学的検査が必要です。

ウイルス性肝炎は自覚症状が出ないことも多いので、あなたも一度はウイルス性肝炎の検査を受けてみてはいかがでしょうか。私も病院で1回、自宅で検査キットを使って1回、合計2回の検査をしました。幸いどちらも陰性でした。

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